YouTubeカード設計術|視聴の途中で次行動へ送る差し込みルール

YouTubeの動画を見ている視聴者が「この話をもっと詳しく知りたい」と感じる瞬間は、動画の最後ではなく途中にやってきます。商品の機能説明を聞いている最中、セミナーで気になるテーマが出た直後、FAQ動画で自分の疑問と少しずれた回答を聞いたときなどです。その瞬間に次の行き先をそっと示せるのが、動画の右上に表示される「カード」です。
ところが企業チャンネルでは、カードを「とりあえず冒頭に1枚」置くだけ、あるいは終了画面と同じ動画を重ねて設定するだけ、という使われ方が少なくありません。これでは視聴者が関心を持った瞬間とカードの表示がかみ合わず、クリックされないばかりか、本編の視聴を邪魔してしまうこともあります。
この記事では、終了画面の話は扱わず「視聴の途中で次の行動へ送る差し込み導線」に絞って、カードの仕様、差し込むタイミングのルール、動画タイプ別の配置、クリックを阻害しない出し方、効果測定までを整理します。仕様は2026年9月時点のYouTubeヘルプの記載に基づいています。
この記事の要点
- カードは1本の動画に最大5枚まで、動画・再生リスト・チャンネル・リンクの4種類を設定できる(2026年9月時点)
- カードは「話題に出た直後」に差し込むのが基本で、冒頭一律の配置は避ける
- 商品説明・セミナー録画・FAQ・事例動画では、差し込む位置と送り先が異なる
- 台本での口頭誘導とティーザー文言をそろえると、本編を止めずにクリックされやすくなる
- ティーザーのクリック率と遷移先の視聴状況をセットで見て、差し込み位置を見直す
YouTubeカードは視聴途中に差し込める誘導リンク
YouTubeカードとは、動画の再生中に指定した時間から表示できる、別の動画や再生リスト、チャンネル、外部サイトへの誘導リンクです。指定した時間になるとプレーヤー右上に短い文言(ティーザー)が数秒表示され、視聴者がそれをクリックすると、カードの一覧が開いて遷移先を選べる仕組みになっています。終了画面が「見終わった人」に向けた導線なのに対し、カードは「見ている最中の人」に向けた導線です。
YouTubeヘルプ「動画に情報カードを追加する」によると、2026年9月時点でカードは1本の動画に最大5枚まで追加でき、種類は動画・再生リスト・チャンネル・リンクの4つです。以前の解説記事にはアンケートなど別の種類が載っていることがありますが、現行のヘルプで案内されているのはこの4種類です。
設定できるカードの種類と条件
企業チャンネルで最もよく使うのは動画カードと再生リストカードです。リンクカードは外部サイトへ誘導できるため魅力的に見えますが、利用できるのはYouTubeパートナープログラムに参加しているチャンネルに限られます。自社サイトへの送客を前提に設計する場合は、まず自チャンネルが条件を満たしているかを確認しておきましょう。
| 種類 | 送り先 | 主な使いどころ | 条件・注意 |
|---|---|---|---|
| 動画 | 公開中のYouTube動画 | 話題に出た詳細解説・関連事例へ送る | 公開動画のみ指定できる |
| 再生リスト | 公開中の再生リスト | 複数本で理解が深まるテーマへ送る | リストの並び順も合わせて整える |
| チャンネル | YouTubeチャンネル | グループ会社や別ブランドのチャンネルへ送る | 自チャンネルの宣伝には使いにくい |
| リンク | 外部ウェブサイト | 資料請求ページや商品ページへ送る | YPP参加チャンネルのみ |
カードが表示されないケース
同じヘルプでは、子ども向けとして設定された動画ではカードを利用できないこと、Content IDによる申し立てを受けた動画でも制限がかかる場合があることが案内されています。また、モバイルではプレーヤーのコントロールバーが表示されている間にカードアイコンが出る仕様です。つまり、カードは「必ず目に入る導線」ではなく、関心を持った人が拾う導線だと理解して設計するのが現実的です。
カードを追加する基本の流れ
カードの設定はYouTube Studioから行います。対象の動画の詳細画面を開き、エディタの「情報カード」の項目から種類を選んで送り先を指定し、動画の下のタイムラインで表示を始める時間を調整するという流れです。アップロード直後だけでなく、公開後の動画にもあとから追加・変更できます。
設定作業そのものは数分で終わりますが、この記事で扱うのはその前段の「どの時間に、どの送り先を置くか」という設計です。設定画面を開いてから考えるのではなく、動画を見返しながら差し込み位置の候補をメモしておき、まとめて設定するほうが判断のぶれを抑えられます。
終了画面ではなく視聴途中でカードを使う理由
カードを途中に差し込む最大の理由は、視聴者の関心がいちばん高まる瞬間に次の行き先を示せるからです。動画の最後まで残る視聴者は一部で、多くの人は途中で離脱します。途中で離れていく人にも行き先を渡せるのは、カードならではの役割です。
もう一つの理由は、終了画面とは表示が重ならないことです。YouTubeヘルプの終了画面のページでは、終了画面の表示中はカードのティーザーなどのインタラクティブ要素が非表示になると説明されています。動画の終盤にカードを置いても、終了画面と重なる区間では見せられません。終盤は終了画面に任せ、カードは本編の途中で使うという役割分担が合理的です。
たとえば10分の解説動画で、3分目に出てきた用語の詳しい解説動画があるなら、その話が出た3分目こそ送り先を示すべき場面です。終了画面まで待ってから示しても、そのときには視聴者の関心は別の話題に移っているか、すでに動画を離れています。途中導線は、関心の鮮度が高いうちに渡すことに意味があります。
終了画面との役割分担の考え方
役割分担のポイントは、カードで「話題の続き」を、終了画面で「チャンネル全体の次の一本」を示すことです。カードは本編の文脈に強く結びついているため、話している内容の詳細動画や関連する事例に送ると自然です。一方の終了画面は、見終えた人にシリーズの次回や登録を促す場所として使います。
同じ動画をカードと終了画面の両方で指定するのは、枠の使い方としてもったいない状態です。カードと終了画面で送り先を分けるだけで、1本の動画から用意できる行き先が増えます。終了画面の配置ルールは、以下の記事で詳しく解説しています。
カードに向いている送り先と向いていない送り先
カードの送り先に向いているのは、いま見ている動画の一部を掘り下げた動画や、視聴者の次の疑問に答える動画です。本編から自然につながる送り先であれば、視聴者は「脱線させられた」と感じにくく、遷移したあとも見続けてもらいやすくなります。
反対に、本編と関係の薄いキャンペーン動画や、チャンネルで一番再生されている人気動画を機械的に入れるのは向いていません。関連性の低いカードはクリックされにくいうえ、クリックされても遷移先ですぐ離脱されやすいからです。人気動画への誘導は、終了画面やチャンネルページに任せるほうが適しています。
カードを差し込むタイミングの基本ルール
カードを差し込むタイミングの基本は、送り先の話題に触れた直後です。多くの解説では「冒頭15秒以内」がすすめられていますが、それは送り先が動画全体と関係する場合に限った話です。本編の途中で出てくる話題に関連する動画なら、その話題が出た瞬間に出すほうが、視聴者の関心と表示がかみ合います。
ハーマンドットが企業チャンネルの運用を支援する現場でも、カードの位置を冒頭から該当トピックの直後に移すと、クリックの質が上がる傾向があります。冒頭のカードは「まだ本編に入っていない人」に見せるため、関心の薄い段階で表示されてしまうからです。
離脱しやすい地点は、YouTube Studioのアナリティクスで動画ごとの視聴者維持率のグラフを見るとつかめます。グラフが大きく下がる直前は、視聴者が「もう十分」と感じ始める場面です。そこで関連する別の動画を示せば、チャンネルから離れる代わりに次の動画へ移ってもらえる可能性が生まれます。
タイミングを決める4つの判断軸
差し込み位置は、話題、区切り、離脱、間隔の4つの観点で決めます。話題に触れた直後であることを最優先にしつつ、説明が一段落した区切りに寄せると本編の理解を邪魔しません。アナリティクスの視聴者維持率で離脱が集中する地点がわかっていれば、その少し手前に置くのも有効です。
| 判断軸 | 差し込む位置 | 避けたい位置 |
|---|---|---|
| 話題 | 送り先のテーマを口にした直後 | 話題と無関係な冒頭 |
| 区切り | 説明が一段落したチャプターの境目 | 手順説明や数字の読み上げの最中 |
| 離脱 | 維持率が落ち始める地点の少し手前 | 離脱が起きた後の区間 |
| 間隔 | 前のカードから十分に間を空ける | 数十秒おきの連続表示 |
枚数は上限ではなく話題の数で決める
カードは最大5枚まで設定できますが、5枚使い切ることが目的ではありません。枚数は、動画の中で「続きを見たくなる話題」がいくつあるかで決めます。数分の短い動画なら1〜2枚、30分を超えるセミナー録画なら3〜5枚というように、話題の数に比例させるのが自然です。
短い間隔でティーザーが何度も出ると、視聴者は通知の多いアプリのような煩わしさを感じます。1つの話題に1枚、話題が変わるまで次を出さないというルールを決めておくと、表示過多を防げます。
冒頭にカードを置いてよいケース
冒頭のカードがすべて悪いわけではありません。動画の前提となる知識を別の動画で解説している場合や、シリーズの途中回で「前回を見ていない人」に第1回を案内したい場合は、冒頭に置く意味があります。この場合、送り先は動画全体に関わる内容なので、早めに示したほうが視聴者の役に立ちます。
判断に迷うときは「この送り先は、動画のどの時点で見たくなるか」を考えます。見る前に知っておきたい内容なら冒頭、話を聞いたあとに深めたい内容なら該当箇所の直後です。この問いに答えるだけで、冒頭に置くべきカードとそうでないカードを切り分けられます。
差し込み位置を決める前の下準備
差し込み位置を決める前に、動画の中で話題が切り替わる時間を書き出しておくと作業が楽になります。チャプターを設定している動画なら、そのタイムスタンプがそのまま候補になります。チャプターがない動画でも、見返しながら「ここで新しい話題が始まる」という時間を数か所メモしておけば十分です。
次に、書き出した話題ごとに、チャンネル内に送り先となる動画があるかを確認します。送り先がない話題にはカードを置けないため、その話題は今後の企画候補として控えておきます。カードの設計は、既存の動画資産を見直し、足りない動画を洗い出す作業にもなります。自社だけで設計や改善を進めるのが難しい場合は、ハーマンドットの無料相談で現状のアカウントを一緒に確認することもできます。
動画タイプ別の差し込み位置と送り先
カードの最適な差し込み位置は、動画タイプによって変わります。企業チャンネルで多い商品説明動画、セミナー録画、FAQ動画、事例動画の4つについて、どこに何を出すかを整理します。自社の動画がどの型に近いかを見極めてから、差し込みルールを当てはめてください。
| 動画タイプ | 差し込む位置 | 送り先の例 | 目安枚数 |
|---|---|---|---|
| 商品説明動画 | 機能を紹介し終えた直後、価格や導入の話に移る前 | 機能別の詳細動画、導入事例、資料請求ページ | 1〜2枚 |
| セミナー録画 | 各パートの締めくくり(チャプターの境目) | 各テーマの深掘り動画、関連セミナーの再生リスト | 3〜5枚 |
| FAQ動画 | 回答を言い終えた直後 | 関連する別の質問の回答動画、FAQ再生リスト | 1〜3枚 |
| 事例動画 | 課題の説明後と成果の説明後 | 同業種の別事例、使われた商品の説明動画 | 2枚前後 |
商品説明動画は機能紹介の直後に置く
商品説明動画では、特定の機能を紹介し終えた直後に、その機能を詳しく扱った動画や導入事例へのカードを置きます。視聴者は「自社でも使えるか」を考え始めている段階なので、具体例へ送ると検討が進みます。価格や導入手順の説明に入る前がひとつの区切りになります。
リンクカードが使えるチャンネルでも、資料請求ページへのカードは動画の後半に1枚に絞るのが無難です。前半から問い合わせを促すと、まだ商品を理解していない人に売り込み色の強い印象を与えてしまいます。
商品説明動画は比較的短く、視聴者の目的もはっきりしているため、カードを増やしすぎると本題から注意がそれてしまいます。機能ごとに詳細動画がそろっている場合でも、すべてにカードを付けるのではなく、視聴者が特に気にしやすい機能に絞ると導線がすっきりします。
セミナー録画はチャプターの境目に置く
30分から1時間を超えるセミナー録画は、テーマごとにパートが分かれているため、各パートの締めくくりにカードを置くと自然です。そのパートの内容をさらに深掘りした動画や、関連するセミナーの再生リストを送り先にします。長尺動画ほど途中で離れる人が多いので、途中離脱する人に次の行き先を渡す意味でもカードが役立ちます。
チャプターとカードの位置をそろえると、視聴者は目次とカードの両方で内容を把握しやすくなります。長尺動画の目次設計については、以下の記事もあわせてご覧ください。
FAQ動画と事例動画は回答や成果の直後に置く
FAQ動画では、回答を言い終えた直後に、関連する別の質問の回答動画をカードで示します。視聴者の疑問は1つで終わらないことが多く、「料金の質問」の次に「契約期間の質問」を見たい人は少なくありません。FAQ全体をまとめた再生リストをカードに入れておくのも効果的です。
FAQ動画は1本あたりが短く作られることが多いため、カードを差し込める時間の幅も限られます。回答の途中にティーザーが出ると肝心の説明が頭に入らなくなるので、言い終えて一息ついたタイミングを選ぶのがコツです。
事例動画では、課題の説明が終わった段階と、成果の説明が終わった段階の2か所が差し込みどころです。前者では同じ課題を持つ別業種の事例へ、後者では使われた商品やサービスの説明動画へ送ると、視聴者の検討段階に合った導線になります。
事例動画は視聴者が自社に置き換えて見ることが多く、業種や規模が近い別の事例へのニーズが高い傾向があります。事例の本数が増えてきたら、業種別・課題別の再生リストを作り、カードの送り先にしておくと、1枚のカードで複数の事例へ案内できます。
採用動画や社内向け動画に応用する場合
採用動画や会社紹介動画でも、考え方は同じです。社員インタビューの中で特定の職種や制度の話が出たら、その直後にその職種の仕事紹介動画や制度の解説動画をカードで示します。応募を検討している人は、気になった話題をその場で深掘りしたいと考えるため、途中導線との相性がよい動画タイプです。
一方で、限定公開の動画はカードの送り先として指定できない点に注意が必要です。社内向けの研修動画などを限定公開で運用している場合は、カードではなく概要欄や社内ポータル側で導線を用意するほうが確実です。カードで送れるのは公開中の動画と再生リストだと覚えておきましょう。
クリックを阻害しないカードの出し方
クリックされるカードに共通するのは、本編の流れを止めずに「次を見る理由」が伝わっていることです。ティーザーは数秒で消えてしまうため、表示された瞬間に何の動画なのかがわからなければ、視聴者はそのまま本編を見続けます。出し方の工夫は、文言、台本、画面構成の3つで考えます。
ここで紹介する工夫は、どれも追加の制作費がほとんどかからないものばかりです。すでに公開済みの動画でも、文言の変更や表示時間の調整はあとから行えるため、手元の動画から試してみてください。
ティーザー文言と台本の口頭誘導をそろえる
カードには、ティーザーテキストとカスタムメッセージを任意で設定できます。何も入れないと動画のタイトルがそのまま表示されますが、タイトルが長いと途中で切れて意味が伝わりにくくなります。「料金の内訳はこちら」「導入事例を見る」のように、送り先で得られる内容を短く言い切る文言にすると、瞬時に判断してもらえます。
カスタムメッセージは、カード一覧を開いたときに送り先の上に表示される補足の一言です。「この動画の続きです」「導入手順をまとめました」のように、なぜこの動画をすすめるのかを添えておくと、カード一覧を開いた人の迷いを減らせます。
さらに効果的なのが、台本の段階で口頭誘導を入れておくことです。「詳しい手順は右上のカードから別の動画で解説しています」と話者が一言添えるだけで、カードの存在に気づく人が増えます。話者の言葉とティーザー文言を同じ表現にそろえると、視聴者は迷わずクリックできます。
画面構成と表示の重なりに注意する
ティーザーはプレーヤーの右上に表示されるため、動画の右上にテロップやロゴ、重要な図表を置いていると、ティーザーと重なって読みにくくなります。カードを差し込む区間だけでも、右上に余白を空けておく編集ルールを決めておくと安心です。
クリックを阻害するNGパターン
- 冒頭数秒に、本編と関係の薄い動画のカードを出している
- 手順説明や数字の読み上げの最中にティーザーを重ねている
- 短い間隔で複数のティーザーを連続表示している
- ティーザー文言が動画タイトルの途中で切れて意味が伝わらない
- カードと終了画面で同じ動画を二重に指定している
どれも設定上はエラーにならないため、気づかないまま放置されがちです。既存動画のカードを一度見直すだけでも、改善の余地が見つかることがあります。
送り先の動画の冒頭も整えておく
カードがクリックされても、送り先の動画の冒頭で視聴者の期待と違う内容が始まると、すぐに離脱されてしまいます。ティーザーで「料金の内訳」と示したなら、送り先の動画は冒頭の数十秒で料金の話に入る構成が理想です。カードの文言と送り先の冒頭が一致していることが、途中導線を機能させる前提になります。
長い動画に送る場合は、送り先の動画のチャプターも確認しておきましょう。目的の話題が動画の後半にあるなら、チャプターで該当箇所に飛べるようにしておくと、カード経由の視聴者が迷わずに済みます。
モバイル視聴を前提にした見せ方
企業チャンネルでもスマートフォンからの視聴は多く、カードの見え方はモバイルを前提に考える必要があります。モバイルではプレーヤーのコントロールバーが表示されている間にカードアイコンが表示される仕様のため、画面を触らずに見ている人はカードに気づきにくくなります。
だからこそ、口頭での誘導や画面上の短いテロップが効いてきます。「右上のカードから」と話すだけでなく、差し込む区間に「関連動画はカードから」といった小さなテロップを添えると、モバイル視聴者にも導線の存在が伝わります。ただしテロップは右上を避け、ティーザーと重ならない位置に置きます。運用体制の見直しや外部への依頼を検討している段階なら、無料のSNSアカウント診断から始めるのも一つの方法です。
カードの効果測定と差し込み位置の見直し方
カードの効果は、ティーザーのクリック率、カードのクリック率、遷移先での視聴状況の3段階で確認します。YouTube Studioのアナリティクスでは、ティーザーの表示回数とクリック数、カードの表示回数とクリック数を確認できます。クリックされた数だけでなく、送った先で動画が見られているかまで追うことが大切です。
ティーザーのクリック率が低い場合は、文言か差し込み位置が合っていない可能性があります。カードは開かれているのに遷移されない場合は、カード一覧に並んだ送り先の魅力が弱いと考えられます。どの段階で止まっているかを切り分けることで、打ち手が明確になります。
見直しの際に確認する項目
- ティーザーのクリック率:文言と差し込み位置が視聴者の関心に合っているか
- カードのクリック率:送り先の動画タイトルやサムネイルが魅力的か
- 遷移先の視聴状況:送った先の動画が冒頭で離脱されていないか
- カード表示前後の維持率:カードの表示が本編の離脱を招いていないか
数値を見るときは、再生数の少ない動画のクリック率を過度に気にしないことも大切です。表示回数が少ない段階では、数件のクリックの有無で率が大きく上下します。ある程度表示回数がたまった動画から判断し、少ない動画は同じタイプの動画とまとめて傾向を見るようにしましょう。
差し込み位置を検証する進め方
差し込み位置を検証するときは、一度に複数の条件を変えないことが大切です。文言と位置を同時に変えると、数値が変わっても何が効いたのかがわかりません。まず位置だけを話題の直後に移して様子を見て、その後に文言を調整するというように、変える要素を1つずつにすると判断しやすくなります。
また、カード表示の前後で視聴者維持率が急に落ちていないかも確認します。カードの表示と同時に離脱が増えているなら、差し込むタイミングが本編の大事な場面と重なっている可能性があります。クリック率だけを追わず、本編の視聴を損なっていないかを合わせて見るのが、途中導線の健全な評価方法です。
複数の動画を比較する視点も役立ちます。同じ動画タイプの中で、ティーザーのクリック率が高い動画と低い動画を並べ、差し込み位置や文言の違いを見比べると、自社チャンネルで効くパターンが見えてきます。こうした比較結果を差し込みルールに反映していくことで、感覚に頼らない運用に近づきます。
見直しは公開直後に何度も行うより、一定の再生数がたまってから行うほうが判断を誤りにくくなります。目安として月1回程度、再生数の多い動画から順にカードを点検し、新しい動画を公開したら過去動画のカードの送り先も更新していくと、チャンネル全体の回遊が育っていきます。こうした点検や改善を継続するには一定の工数がかかるため、外部に任せる場合の費用感も把握しておくと判断しやすくなります。
なお、カード経由の遷移はチャンネル内の回遊を示す一つの手がかりにすぎません。問い合わせや資料請求といった最終的な成果との関係は、リンクカードの遷移先ページの計測や、別の導線と合わせて判断するのが現実的です。
差し込みルールを社内運用に定着させる方法
カードの差し込みルールを定着させるには、動画の企画・台本の段階でカードの位置と送り先を決めておくことが効果的です。公開直前にYouTube Studioで思いついた動画を設定する運用では、担当者によって品質がばらつきます。台本にカード差し込みの注記を入れ、編集担当が右上の余白を確保し、公開担当が設定するという流れを作ると、属人化を防げます。
もう一つ大切なのは、送り先となる動画の在庫を把握しておくことです。「この話題ならこの動画へ送る」という対応表を作っておけば、新しい動画を作るたびに迷わずカードを設定できます。送り先の対応表を定期的に更新することが、チャンネル全体の導線を保つ土台になります。
差し込みルールは、一度決めたら終わりではありません。効果測定の結果をもとに、「セミナー録画ではパートの締めくくりに置く」「FAQ動画では回答後に関連質問へ送る」といった自社なりの型を更新していくことで、担当者が替わっても同じ水準の導線を作れるようになります。
台本テンプレートに差し込み欄を設ける
ルールを現場で守ってもらうには、台本テンプレートの中にカード差し込み欄を設けるのが手軽です。各パートの末尾に「カード:送り先の動画名/ティーザー文言」を記入する欄を用意しておけば、企画の段階で自然と送り先を考えるようになります。
編集担当はその欄を見て右上の余白を確保し、公開担当は記入された時間と送り先をそのまま設定するだけで済みます。台本、編集、公開の各工程で同じ情報を参照できるため、設定漏れや送り先の取り違えも減らせます。
一方で、動画の本数が増えてくると、カードの点検や対応表の更新まで社内で手が回らなくなることもあります。そうした場合は、導線設計や分析まで対応できる運用会社に一部を任せるのも選択肢です。社内で担う範囲と外部に任せる範囲を先に決めておくと、依頼先も選びやすくなります。
まとめ:カードは話題の直後に差し込む途中導線
YouTubeカードは、視聴者の関心が高まった瞬間に次の行き先を示せる途中導線です。終了画面とは表示が重ならないため、本編の途中はカード、終盤は終了画面という役割分担で設計すると、1本の動画から複数の行き先を用意できます。
- カードは冒頭一律ではなく、送り先の話題に触れた直後に1話題1枚で差し込む
- 商品説明・セミナー録画・FAQ・事例動画ごとに、差し込む位置と送り先を変える
- ティーザー文言と口頭誘導をそろえ、クリック率と遷移先の視聴状況で見直す
まずは無料でSNSアカウント診断を
「カードを設定しているのにクリックされない」「動画は増えてきたが、チャンネル内の導線が整理できていない」とお悩みの方は、株式会社ハーマンドットの無料SNSアカウント診断をご活用ください。YouTubeを含む各SNSアカウントの現状を確認し、導線設計のどこから手を付けるべきかを具体的にご提案します。
企画・台本・撮影・編集から、カードや終了画面の設計、アナリティクスをもとにした改善まで、企業チャンネルの運用を一貫してサポートしています。社内で回す部分と外部に任せる部分の切り分けからご相談いただけます。
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