LINEリッチメッセージ活用法|1画面で行動を促す画像配信の作法

LINE公式アカウントで友だちが増えてきたのに、配信してもリンクが押されない。テキストで丁寧に説明しているのに、読まれている手応えがない。こうした悩みを持つ運用担当者は少なくありません。トーク画面は縦に流れていく場所で、ユーザーが1通のメッセージに向ける時間はごくわずかです。
その短い時間で行動を促すための配信形式が、画像1枚にタップ領域を設定できるリッチメッセージです。ただし、画像をきれいに作るだけでは成果は出ません。何を一番目立たせ、どこを押させ、押した先で何が起きるのかを1画面の中で設計して初めて、クリックにつながる配信になります。
この記事では、リッチメニューではなく配信面そのもので使うリッチメッセージに絞り、2026年9月時点の仕様を押さえたうえで、分割数ごとの導線設計、訴求文の量、クーポン・予約・商品リンクの配置例、配信頻度の注意点までを実務目線で解説します。
この記事の要点
- リッチメッセージは画像とタップ領域を一体にした配信形式で、目的は「1画面で1つの行動」を取ってもらうこと
- 分割数を増やすほど選択肢は増えるが、1エリアあたりの訴求力は落ちるため、迷ったら分割なしか2分割から始める
- 画像内の文字は見出し・ベネフィット・行動喚起の3要素に絞り、ボタンに見える表現で押せる場所を示す
- 通数は吹き出し単位ではなく配信回数×友だち数で数えるため、テキストとの組み合わせ方で費用対効果が変わる
- 改善は画像・文言・配信時間などの変数を1回に1つだけ変え、クリック率の差を比較する
LINEリッチメッセージとは画像1枚で行動まで導く配信形式
LINEリッチメッセージとは、LINE公式アカウントから配信できる画像メッセージのうち、画像上にタップ領域を設定してリンクやクーポン、テキスト送信などのアクションを割り当てられる形式のことです。通常の画像配信は拡大表示されるだけですが、リッチメッセージは画像そのものが「押せる入口」になります。
テキストメッセージでは、ユーザーは文章を読み、URLを探してタップするという2段階の動作が必要です。リッチメッセージなら、目に入った画像をそのまま押せば目的のページへ移動できます。この動作の短さこそが最大の価値で、情報量を増やすための形式ではなく、行動までの距離を縮めるための形式だと捉えると設計を誤りにくくなります。
また、トーク画面の中で画像は文字よりも目に留まりやすく、流し読みしているユーザーの指を止めるきっかけになります。テキスト中心の配信が続いているアカウントほど、リッチメッセージを混ぜたときの変化は見えやすくなります。一方で、毎回画像ばかりになると広告のような印象が強まるため、テキストとの役割分担を意識して使うことが前提です。
リッチメニューやカードタイプメッセージとの違い
似た名前の機能にリッチメニューがありますが、役割はまったく異なります。リッチメニューはトーク画面下部に常時表示される案内板で、ユーザーが好きなときに開く「店内の案内図」のような存在です。一方のリッチメッセージは、配信した瞬間にトーク画面へ流れてくる「今日のお知らせ」であり、時間とともに上へ流れて見えなくなります。
複数の商品を横スクロールで見せたい場合はカードタイプメッセージが向いています。リッチメッセージはスワイプ不要で一目で伝わる反面、1枚に載せられる情報は限られます。伝えたい行動が1つか2つに絞れるときはリッチメッセージ、比較検討させたいときはカードタイプ、という使い分けが基本です。
| 機能 | 表示場所 | 向いている目的 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| リッチメッセージ | 配信したトーク内 | キャンペーン告知・クーポン・予約など単一行動の誘導 | 時間とともに流れて見えなくなる |
| リッチメニュー | トーク画面下部に常時表示 | 予約・問い合わせ・会員証など常設の入口 | 配信のような「今だけ感」は出しにくい |
| カードタイプメッセージ | 配信したトーク内 | 複数商品・複数プランの比較 | 横スクロールしないと後半が見られない |
| 画像メッセージ | 配信したトーク内 | 雰囲気や写真そのものを見せる | タップ領域を設定できない |
常設の入口をどう整理するかについては、リッチメニュー側の設計を扱った以下の記事もあわせてご覧ください。
リッチメッセージの仕様と作成手順は管理画面で完結する
リッチメッセージは、LINE Official Account Managerの「リッチメッセージ」メニューから作成し、メッセージ配信の画面で呼び出して送る流れで完結します。外部ツールは必須ではなく、無料のコミュニケーションプランでも利用できます。以下はLINEヤフー for Businessの公式マニュアルをもとに、2026年9月時点で確認できた主な仕様です。
| 項目 | 仕様・ポイント(2026年9月時点) |
|---|---|
| 画像サイズ | 正方形テンプレートは1040×1040px。横長・縦長・カスタムの系統もある |
| ファイル容量 | 10MB以下 |
| アクションの種類 | リンク・クーポン・テキスト(応答メッセージのキーワードと連携可能) |
| タイトル | プッシュ通知とトークリストに表示される項目 |
| アクションラベル | 各エリアに設定する説明文。最大100文字 |
正方形以外のテンプレートの使いどころ
基本は正方形ですが、伝えたい内容によっては横長や縦長のテンプレートも選択肢になります。横長は高さが抑えられるため、テキストの吹き出しと組み合わせたときにトーク画面を圧迫せず、ちょっとしたお知らせやバナー的な案内に向いています。縦長は画面を大きく占有できるので、写真を大きく見せたい商品告知や、上から順に読ませたい案内に使いやすい形です。
ただし、縦長の画像はスマートフォンの画面に収まりきらず、下部のボタンが最初の表示で見えないことがあります。縦長を使う場合は、画面を開いた時点で見える範囲にも行動喚起の要素を置くなど、スクロールしなくても押す理由が伝わる配置を意識すると失敗が減ります。
作成から配信までの流れ
手順はシンプルです。リッチメッセージの作成画面でタイトルを入力し、テンプレートを選んで画像をアップロードします。次に分割された各エリアにアクションを設定して保存し、メッセージ配信の画面で吹き出しの種類としてリッチメッセージを選べば配信できます。作成したリッチメッセージは一覧に残るため、同じ画像を別の配信で再利用することも可能です。
見落とされやすいのがタイトルの扱いです。タイトルはトーク内の画像には表示されませんが、プッシュ通知とトークリストに出るため、ユーザーがトークを開くかどうかを左右します。タイトルは「リッチメッセージ」や「お知らせ」のままにせず、開く理由が伝わる短い文言にすることが、クリック率以前に開封を確保するための前提になります。公式コラムでも10〜13文字程度に収める目安が示されています。
アクションラベルは画面上には出ませんが、読み上げ機能などで使われる説明文です。空欄や意味のない文字列にせず、「春の限定クーポンを見る」のように押した先がわかる文にしておくと、アクセシビリティの面でも丁寧な運用になります。
画像制作の前に決めておくこと
画像を作り始める前に、配信の目的、押してほしい行動、遷移先のURL、配信対象の4点を1枚のメモにまとめておくと、制作の手戻りが大きく減ります。特に外部のデザイナーに依頼する場合、完成した画像を見てから「このボタンはどこへ飛ぶのか」を決めると、分割の位置とボタンの配置が合わなくなることがあります。
テンプレートは画像制作の前に選んでおきます。分割の境界線がどこに来るかによって、文字やボタンを置ける範囲が変わるためです。管理画面のテンプレートを選んだ状態でエリアの位置を確認し、その区切りを下書きに写してからデザインに入ると、タップ領域と見た目のずれを防げます。
分割数ごとのクリック導線は目的の数で決める
テンプレートの分割数は、画像の見た目ではなく「ユーザーに選ばせたい行動の数」で決めるのが原則です。分割を増やすと複数の商品や導線を1枚に載せられますが、1エリアあたりの面積が小さくなり、どれも押されないという結果になりがちです。支援現場でも、情報を詰め込んだ多分割の画像より、訴求を1つに絞った画像のほうが反応が安定する傾向があります。
| 分割数 | 向いている配信 | 設計のポイント |
|---|---|---|
| 分割なし | セール告知・新商品・単一クーポン | 最もクリックを集めやすい基本形。画像全体を1つのボタンとして作る |
| 2分割 | 予約と詳細確認、男女別・新規/既存別など二択 | 上下または左右で役割を明確に分け、主と副の優先度をつける |
| 3〜4分割 | カテゴリ別の商品一覧、店舗別の案内 | 各エリアに見出しと写真を入れ、同じ形式で並べて比較しやすくする |
| 6分割 | メニュー表のような総合案内 | 配信よりリッチメニュー向き。配信で使う場合は文字を最小限にする |
分割なしと2分割を基本にする理由
トーク画面でリッチメッセージが表示される幅はスマートフォンの画面幅程度で、正方形の画像を4分割すると1エリアは親指の先が少し余る程度の大きさになります。そこに写真と文字を入れると、どちらも小さくなって読み取れません。分割なしであれば画像のどこを押しても同じ遷移先になるため、ユーザーは「どこを押せばいいか」を考える必要がありません。
2分割は、行動の優先順位がはっきりしている場合に有効です。たとえば上部の大きなエリアを「予約する」、下部の細いエリアを「メニューを見る」にすると、決めている人は即予約へ、迷っている人は情報収集へと自然に分かれます。2つのエリアを同じ大きさ・同じ色で並べると、どちらも押されにくくなる点には注意が必要です。
多分割を使うときの条件
3分割以上を使うのは、ユーザー自身に選んでもらうこと自体が目的のときです。複数店舗の予約ページを案内する、カテゴリ別の特集ページに振り分けるといったケースでは、各エリアのデザインを揃え、見出しを短い単語にするだけで比較しやすくなります。反対に、どれか1つを売りたいのに多分割にするのは避けたほうが無難です。
多分割の画像では、エリアの境界と画像内の区切り線を正確に一致させることも欠かせません。見た目上は左の商品なのに、タップすると右の商品ページが開くといったずれは、ユーザーの信頼を損ねます。配信前にテスト配信で自分の端末に送り、すべてのエリアを実際にタップして遷移先を確認する工程を必ず挟みます。
友だち追加直後の案内など、配信の入口全体をどう組み立てるかは以下の記事で整理しています。
1画面で行動を促す画像は3つの要素に絞って作る
クリックされるリッチメッセージの画像は、見出し・ベネフィット・行動喚起の3要素で構成されています。トークを開いたユーザーは画像を「読む」のではなく「一瞥する」ため、1秒程度で内容がわかる情報量に抑えることが重要です。要素を足すほど伝わる情報は増えるように見えますが、実際には視線が分散して行動につながりにくくなります。
訴求文の量と文字サイズの目安
画像内に入れる文字は、大見出しで10文字前後、補足で20文字前後、行動喚起で8文字前後が扱いやすい量です。合計で40文字程度を超えると、スマートフォンの画面では読まれずに流されることが増えます。細かな条件や注意事項は画像に入れず、遷移先のページや同時に送るテキストメッセージに回すのが基本です。
文字サイズは、1040px幅の画像であれば大見出しを100px前後、補足を50px前後にしておくと、端末上でも無理なく読めます。制作時はパソコンの大きな画面で確認しがちですが、必ずスマートフォンに画像を送って実寸で見る工程を挟みます。制作担当と運用担当が別の場合、この確認を省くと文字が小さすぎる画像がそのまま配信されてしまいます。
押せる場所を視覚的に示す
ユーザーは画像が押せることを必ずしも知っているわけではありません。画像の下部に角丸のボタン風の帯を置き、「クーポンを受け取る」「空き状況を見る」のように押した結果がわかる動詞で書くと、押せる場所であることが直感的に伝わります。「詳しくはこちら」よりも、得られるものを具体的に書いたほうが行動の動機になります。
視線の流れは、上から下、左上から右下へと進むのが一般的です。そのため、最初に目に入る上部に一番伝えたいベネフィットを置き、最後に行き着く下部に行動喚起のボタンを置く配置が自然です。背景写真を使う場合は、文字の下に半透明の帯を敷くなどしてコントラストを確保します。
写真とイラストの使い分け
商品や料理、施術後の仕上がりなど、実物の魅力が購買理由になるものは写真を主役にします。写真は画像の半分以上を占める大きさで使い、文字は写真の邪魔にならない位置へまとめます。複数の写真を小さく並べるより、最も魅力が伝わる1枚を大きく見せたほうが、トーク画面では目に留まりやすくなります。
一方、手続きの案内や無形のサービスなど写真で表しにくい内容は、アイコンや図形を使ったシンプルなデザインが向いています。いずれの場合も、ブランドの色やフォントを配信ごとに揃えておくと、トーク画面で「いつものお店からのお知らせ」と認識されやすくなり、開封から行動までの迷いを減らせます。SNS運用の設計から実行までを外部の手も借りて進めたい場合は、ハーマンドットへの無料相談で自社に合う進め方を整理できます。
配信前に確認したい画像のチェック項目
- 一瞥して何のお知らせかがわかる見出しになっているか
- 画像内の文字が合計40文字程度に収まっているか
- 押せる場所がボタン風の表現で示されているか
- 行動喚起の文言が押した結果を表す動詞になっているか
- スマートフォン実機で文字が読める大きさか
クーポン・予約・商品リンクは遷移先に合わせて配置する
リッチメッセージの配置は、押した先で何をしてもらうかによって最適な形が変わります。ここでは利用頻度の高いクーポン、予約、商品リンクの3つの目的について、画像内のどこに何を置くかの基本形を紹介します。業種を問わず応用できる考え方なので、自社の配信に置き換えながら読み進めてください。
| 目的 | おすすめの分割 | 画像の上部 | 画像の下部 | アクション |
|---|---|---|---|---|
| クーポン配布 | 分割なし | 割引内容と有効期限 | 「クーポンを受け取る」ボタン | クーポン |
| 予約獲得 | 2分割(大小) | 空き状況や季節メニュー | 大:予約する/小:メニューを見る | リンク |
| 商品購入 | 分割なし〜3分割 | 商品写真と価格 | 「商品ページを見る」ボタン | リンク |
クーポンは条件より「得」を先に見せる
クーポン配信では、割引率や特典内容を画像の最上部に大きく置き、有効期限をその近くに添えます。利用条件や対象外商品などの細則はクーポン画面側に記載されるため、画像に詰め込む必要はありません。アクションにLINE公式アカウントで発行したクーポンを直接設定すれば、外部ページを経由せずにクーポン画面を開けるので、離脱が起きにくくなります。
ただし、クーポンを毎回の配信に付けると、ユーザーが割引のある日しか反応しなくなるリスクがあります。クーポンは配信の目玉ではなく、来店や購入の最後のひと押しとして使いどころを決めておくことが大切です。配布条件や回収率の見方は以下の記事で詳しく扱っています。
予約と商品リンクは遷移先のファーストビューと揃える
予約や商品購入へのリンクでは、リッチメッセージの画像と遷移先ページの冒頭で、見出しや写真を揃えることが重要です。画像で見た商品と違うページが開くと、ユーザーは「間違えた」と感じて戻ってしまいます。予約の場合は、トップページではなく日時選択の画面へ直接送るなど、押してから行動完了までの手順を1つでも減らす工夫が効きます。
商品を複数見せたいときに3分割を使う場合は、各エリアで写真の大きさと価格表示の位置を統一します。どれか1つを主力として推したいなら、その商品だけを分割なしの1枚で配信し、他の商品は後日の配信に回すほうが結果的にクリックを集めやすくなります。
ECサイトへのリンクでは、商品ページに在庫切れや価格変更が起きていないかを配信直前に確認します。画像で案内した価格と遷移先の価格が異なると、問い合わせやクレームの原因になります。配信した画像と遷移先の情報は、配信期間中ずっと一致させておくという意識で運用しましょう。運用体制の見直しや外部への依頼を検討している段階なら、無料のSNSアカウント診断から始めるのも一つの方法です。
業種別に見るリッチメッセージの使いどころ
リッチメッセージが最も力を発揮するのは、ユーザーが「今行動する理由」を持てる場面です。業種によってその場面は異なり、同じ画像の作り方でも優先すべき要素が変わります。ここでは、LINE公式アカウントの利用が多い業種を例に、配信のタイミングと画像で押し出すべきポイントを整理します。
飲食店・美容サロンなど来店型の業種
来店型の業種では、空席や空き枠の案内、季節限定メニューの告知、来店が途絶えた顧客への再来店のきっかけづくりが主な用途です。画像では料理や仕上がりの写真を大きく見せ、下部に予約ボタンを置く2分割が扱いやすい形です。当日や翌日の空き枠を案内する配信は、行動の理由が明確なため反応が得やすい傾向があります。
ただし、空き枠の案内を頻繁に送ると「いつでも空いている店」という印象を与えかねません。季節の話題や新メニューなど、来店の楽しみを伝える配信と組み合わせ、予約の案内はその中の一部として位置づけるとバランスが取れます。
ECや小売などオンラインで完結する業種
ECや小売では、新商品の発売、セールの開始、再入荷の案内がリッチメッセージと相性の良い場面です。押した先がそのまま購入ページになるため、画像には商品写真と価格、行動喚起の3点を明確に入れます。セール期間中は開始日と終了前日の2回に分けて配信し、終了前日の画像では残り時間を強調するといった使い分けが考えられます。
購入履歴や閲覧傾向でセグメントを切れる環境であれば、全員に同じ画像を送るより、関心の近い層にだけ関連商品の画像を送るほうが通数の面でも効率的です。誰に送るかを絞ることは、画像の改善と同じくらいクリック率に影響します。
スクールや法人向けサービスなど検討期間が長い業種
検討期間が長い商材では、いきなり申し込みを促すより、説明会や資料ダウンロード、事例紹介など一段手前の行動を用意したほうが押されやすくなります。画像には「参加すると何がわかるか」を短く書き、日程や申し込み方法の詳細は遷移先に任せます。検討段階に合わせて案内する行動を変えていくことが、長期的な関係づくりにつながります。
たとえば、友だち追加から間もない層には導入事例やよくある悩みを紹介するページへ、説明会に参加した層には個別相談の予約ページへ、というように段階ごとに遷移先を変えます。同じリッチメッセージを全員に送り続けるより、関心の度合いに応じて行動のハードルを調整したほうが、結果として申し込みまでの道のりは短くなります。
配信頻度と通数は画像の設計とセットで考える
リッチメッセージの効果を持続させるには、配信頻度を上げすぎないことが欠かせません。どれだけ画像を磨いても、通知が多すぎるアカウントはブロックされ、配信そのものが届かなくなります。業種や友だちとの関係性によって適切な頻度は異なりますが、目安として週1回程度から始め、ブロック数の推移を見ながら調整する運用が堅実です。
通数のカウント方法を理解する
LINEヤフー for Businessの料金プランページによると、2026年9月時点のメッセージ通数は「送った回数×送った友だちの数」で数えられ、1回の配信には吹き出しを最大3つまで含められます。つまり、リッチメッセージにテキストを1つ添えても通数は増えません。画像に入りきらない条件説明をテキストで補う組み合わせは、コスト面でも理にかなっています。
| プラン(2026年9月時点) | 月額(税別) | 無料メッセージ通数 | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 1通3円から段階的に低減 |
友だち数が多いアカウントほど、1回の配信で消費する通数も大きくなります。全員に同じリッチメッセージを送るのではなく、属性や過去の反応で配信対象を絞り込めば、通数を抑えながら反応の良い層に集中して届けられます。吹き出しの順番は、画像を最後に置くと直後に行動しやすいという考え方もあり、テキストで背景を伝えてから画像で行動を促す構成が扱いやすい形です。
配信する時間帯の考え方
配信時間帯は、ユーザーがトークを開いて、そのまま遷移先で行動できる時間を選ぶのが基本です。飲食の予約なら来店を検討し始める夕方前、ECなら通勤時間帯や夜のくつろぎ時間など、商材ごとに行動しやすい時間は異なります。通知を見た瞬間に行動できない時間帯に送ると、開封されても後回しにされ、そのまま忘れられてしまいます。
最適な時間は業種の一般論よりも自社の友だちの反応で決まるため、まずは2〜3パターンの時間帯で同じ種類の配信を試し、クリック率の違いを確認します。時間帯を比較するときは画像や対象を変えずに配信することで、時間帯そのものの影響を読み取りやすくなります。
配信頻度で注意したいポイント
- 同じ画像の使い回しは、2回目以降の反応が落ちやすい
- 短期間の連続配信はブロックの増加につながりやすい
- 夜間や早朝の配信は通知が迷惑に感じられやすい
- 配信のたびにブロック数の増減を記録しておく
LINEを含むSNS運用を外部に任せる場合の費用感は、以下の記事で相場を整理しています。
効果測定は変数を1つずつ変えて比較する
リッチメッセージの改善は、配信ごとのクリック率を記録し、1回に1つの要素だけを変えて比較することで進めます。画像・文言・配信時間・対象を同時に変えてしまうと、何が効いたのかわからなくなり、次の配信に学びが残りません。LINE Official Account Managerの分析機能で配信ごとの反応を確認し、遷移先のURLにはUTMパラメータを付けてサイト側の行動まで追えるようにしておきます。
比較する変数の優先順位
変える要素の優先順位は、影響の大きいものからが効率的です。最初は分割数や訴求の切り口といった構成そのものを比べ、次に見出しの文言、ボタンの表現、色味の順に細部へ進みます。同じ条件で2〜3回配信して傾向が揃ってから結論を出すようにすると、たまたまの結果に振り回されにくくなります。
クリック率が低いときは、画像の問題なのか、そもそも開封されていないのかを切り分けます。開封が少ないならタイトルや配信時間を、開封はされているのにクリックが少ないなら画像の訴求や押せる場所の見せ方を見直します。クリックはあるのに成果が出ない場合は、遷移先ページとの不一致が原因であることが多いです。
記録は、配信日時・対象・分割数・見出しの文言・クリック率・ブロック数の増減を1行にまとめた簡単な表で十分です。数か月分がたまると、自社の友だちがどんな訴求や時間帯に反応するのかが見えてきます。この蓄積が、次の画像を作るときの判断材料になります。
クリック率を読むときの注意点
クリック率は、配信対象の人数や属性によって大きく変わります。反応の良い既存顧客だけに送った配信と、友だち全員に送った配信を同じ土俵で比べると、画像の良し悪しとは関係なく差が出てしまいます。比較するときは、配信対象の条件が近い配信どうしで見ることが基本です。
また、クリック率だけを追うと、押されやすいが成果につながらない画像を量産してしまうことがあります。遷移先での予約数や購入数、クーポンの利用数まで含めて確認し、クリックの先で何が起きたかを評価の軸に据えると、配信の目的からぶれない改善ができます。
運用体制を整えて改善を続ける
リッチメッセージの改善は、画像制作・配信設定・数値の振り返りという3つの作業を毎回回すことで成果が積み上がります。社内の担当者が兼務で対応していると、制作に追われて振り返りが抜け落ちがちです。支援現場でも、配信の目的と比較する変数を事前に決め、終わったら短時間でも結果を共有する仕組みがあるアカウントほど、改善が続く傾向があります。
社内だけで回すのが難しい場合は、配信設計から効果測定まで任せられるパートナーを検討するのも一つの方法です。画像制作だけでなく数値の振り返りまで対応できるかが、選定時の大きな判断軸になります。運用会社の選び方は以下の記事を参考にしてください。
まとめ:リッチメッセージは1画面1行動で設計する
LINEリッチメッセージは、画像そのものを押せる入口にすることで、ユーザーの行動までの距離を縮める配信形式です。成果を左右するのは画像の華やかさではなく、何を押させるかを先に決め、その1点に視線を集める設計です。最後に、運用で押さえたいポイントを整理します。
- 分割数は行動の数で決め、迷ったら分割なしか2分割から始める
- 画像内の文字は40文字程度に絞り、押した結果がわかる動詞のボタンを置く
- 通数と配信頻度を意識し、変数を1つずつ変えてクリック率を比較する
まずは無料でSNSアカウント診断を
株式会社ハーマンドットでは、LINE公式アカウントをはじめとするSNSアカウントの運用状況を診断し、配信設計や導線の改善ポイントをご提案しています。リッチメッセージのクリックが伸びない、配信頻度や対象の決め方に迷っているといったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。画像制作から配信後の振り返りまで一貫してご支援できる体制を整えています。
現在の配信内容や友だち数をもとに、自社で取り組むべき改善と外部に任せたほうが効率的な業務を整理します。初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。




