YouTube終了画面の最適化|最後の20秒で回遊と登録を増やす配置ルール

YouTubeの動画を最後まで見てくれた視聴者は、チャンネルにとって最も関心度の高い人たちです。ところが多くの企業チャンネルでは、この「最後まで見た人」を次の行動に送り出す設計が手薄なまま、動画がぷつりと終わっています。そこで効いてくるのが、動画の終盤に次の動画や登録ボタンを重ねて表示できる「終了画面」です。
終了画面の設定手順そのものは難しくありません。差がつくのは、どの要素を何個、どの順番で、どの位置に置くかという設計の部分です。登録ボタンと次の動画を同じ大きさで並べてしまう、どの動画にも同じ終了画面を使い回す、といった「とりあえず設定した」状態では、せっかくの最後の20秒が回遊にも登録にもつながりません。
この記事では、動画制作の話ではなく「ラスト5〜20秒の回遊設計」に主題を絞り、公式仕様の確認から、要素の優先順位、動画の長さ別の構成、台本との連動、効果測定までを整理します。仕様は2026年9月時点のYouTubeヘルプの記載に基づいています。
この記事の要点
- 終了画面は動画の最後の5〜20秒に表示でき、16:9の動画なら最大4要素まで置ける(2026年9月時点)
- 企業チャンネルの基本は「次の動画」を主役にし、登録ボタンは脇役として添える配置
- 要素は2〜3個に絞り、本編の映像側に要素用の余白をあらかじめ空けておく
- 動画の長さと役割によって、ラスト20秒の使い方と置くべき要素は変わる
- 子ども向け設定の動画やモバイルウェブでは表示されないため、終了画面だけに導線を頼らない
YouTube終了画面とは最後の5〜20秒に置ける回遊装置
YouTubeの終了画面とは、動画の最後の5〜20秒に、別の動画や再生リスト、チャンネル登録ボタンなどをクリックできる形で重ねて表示する機能です。視聴を終えようとしている人に「次に見るもの」を提示し、チャンネル内の回遊や登録につなげる役割を持っています。YouTube Studioの動画編集画面から、アップロード時またはアップロード後に設定できます。
公式ヘルプ「動画に終了画面を追加する」では、終了画面を付けるには動画の長さが25秒以上必要とされています。また、標準的な16:9の動画であれば最大4つの要素を追加でき、それ以外のアスペクト比では上限が少なくなる場合があると記載されています。
配置できる要素と利用条件
終了画面に置ける要素は、大きく分けて動画、再生リスト、登録、チャンネル、リンクの5種類です。このうち外部サイトへのリンクはYouTubeパートナープログラム(YPP)参加者のみが使える要素で、リンク先もYouTubeのポリシーに準拠している必要があります。2026年9月時点の公式ヘルプの記載を整理すると、次のようになります。
| 要素 | できること | 利用条件・補足 |
|---|---|---|
| 動画 | 最新のアップロード、視聴者に適した動画(自動選択)、特定の動画から選んで表示 | 自チャンネル・他チャンネルの公開または限定公開動画を指定可能 |
| 再生リスト | 公開されている再生リストを表示 | シリーズ視聴への誘導に向く |
| 登録 | チャンネルアイコンで登録を促す | 自チャンネルのみ |
| チャンネル | カスタムメッセージ付きで別チャンネルを宣伝 | グループ会社や姉妹チャンネルの紹介に使える |
| リンク | 外部ウェブサイトへ誘導 | YPP参加者のみ・ポリシー準拠が必要 |
カードとの役割分担
終了画面とよく混同されるのが、動画の途中で右上に小さく表示される「カード」です。カードは視聴中の好きなタイミングで関連動画などを案内する機能で、終了画面は動画の終盤にまとめて次の行き先を提示する機能という違いがあります。公式ヘルプでは、終了画面の表示中はカードのティーザーや透かしなど他のインタラクティブ要素が抑制されると説明されています。
そのため実務では、本編の話題に合わせた補足はカードで途中に差し込み、見終えた人への「次の一本」は終了画面で示す、という役割分担で設計すると重複がなくなります。同じ動画をカードと終了画面の両方で案内するより、カードでは補足、終了画面では続編というように行き先を変えたほうが、チャンネル全体の回遊経路が広がります。
ショート動画の縦型プレーヤーで表示される導線や、概要欄・固定コメントのリンクも含めて、チャンネル内には複数の導線があります。そのなかで終了画面が担うのは「最後まで見た人の次の一本」という限られた役割です。役割をはっきりさせておくと、どの導線に何を任せるかの判断がしやすくなり、同じ動画ばかりを案内する重複も防げます。
YouTube Studioでの設定は数分で終わる
終了画面の設定作業そのものは、1本あたり数分で完了するシンプルな操作です。YouTube Studioにログインし、左メニューの「コンテンツ」から対象の動画を選んで詳細画面を開くと、画面右側に「終了画面」の項目があります。ここを開くと、動画のプレビューとタイムラインが表示された専用の編集画面に切り替わります。
編集画面では、まず「要素」からテンプレートを選ぶか、動画・再生リスト・登録などの要素を個別に追加します。追加した要素はプレビュー上でドラッグして位置を変えられ、動画要素は大きさも調整できます。続いて画面下のタイムラインで、各要素を表示し始める時点と表示を終える時点を決めます。要素ごとに表示の開始タイミングをずらすこともできるため、話者の台詞に合わせて主役の動画を先に出し、登録ボタンを数秒遅れて出すといった演出も可能です。
設定が終わったら右上の「保存」を押せば反映されます。過去の動画の終了画面を読み込む機能もあるため、シリーズで同じ構成を使う場合は一から作り直す必要はありません。ただし読み込んだ構成をそのまま使うと、指定した「次の動画」が本編と合っていないことが起きやすいので、保存前に要素の中身だけは必ず確認するようにしましょう。
なお、終了画面の表示区間は動画の最後の5〜20秒の範囲でしか設定できません。本編の締めの台詞がラスト20秒より前に始まる構成だと、言葉と要素の表示がずれてしまうため、編集の段階で締めの台詞が最後の20秒に収まるよう尺を調整しておくと、設定時に迷わずに済みます。
終了画面で優先すべきは次動画、登録はその次
企業チャンネルの終了画面は、「次の動画」を主役にし、登録ボタンを脇役に置くのが基本です。最後まで見た視聴者の多くは「この話の続きが知りたい」という状態にあり、その関心に最も素直に応えられるのが次の動画だからです。登録は大切な指標ですが、もう一本見て「このチャンネルは役に立つ」と感じてもらってから押されるほうが自然な流れになります。
次動画導線を最優先にする理由
登録ボタンは、視聴者にとって「今後もこのチャンネルを見続ける」という小さな約束を求めるアクションです。一方で次の動画は「あと数分だけ見る」という軽い判断で済みます。心理的なハードルが低い行動を先に提示したほうが押されやすく、結果的に視聴時間とチャンネルへの接触回数が積み上がります。
支援現場でも、終了画面の中央に大きく次の動画を置き、登録ボタンは端に控えめに置く構成のほうが、チャンネル内の回遊が安定しやすい傾向があります。登録を最大化したい気持ちがあっても、登録ボタンを主役に据えるのは初見の視聴者が多い動画に限るくらいの考え方がちょうどよいでしょう。
登録導線を主役にしてよい場面
登録ボタンを大きく扱ってよいのは、検索や広告経由で初めてチャンネルに来た人が多い入口の動画や、定期的に続く連載シリーズの第1回などです。このような動画では「続きは今後も配信する」という約束そのものが価値になるため、登録の理由を本編の最後で言葉にしたうえで、登録ボタンと次の動画を並べて置く構成が機能します。
チャンネルの段階によっても重み付けは変わります。立ち上げ直後で動画の本数が少ないうちは、回遊させる先の動画自体が限られるため、登録ボタンの比重をやや高めにしても問題ありません。反対に、動画が数十本以上そろってきたチャンネルでは、関連動画への回遊で視聴時間を積み上げるほうが、結果的に登録にもつながりやすくなります。
再生リストを置くべき場面
ノウハウ解説や製品の使い方など、順番に見てほしい動画群がある場合は、単体の動画より再生リストを置くほうが効果的です。再生リストを選ぶと、視聴者は続きの動画を連続して見られるため、1回のクリックで複数本の視聴につながる可能性があります。そのぶん、再生リスト側の並び順やタイトルが整っていることが前提になります。
再生リストを置く場合も、終了画面のサムネイルだけでは中身が伝わりにくいため、本編の最後で「このシリーズを最初から順番に見られるリストを置いています」と言葉で補うと効果が高まります。単体の次動画と再生リストのどちらを主役にするかは、その動画がシリーズの何本目にあたるかで判断するとぶれません。
終了画面で次の動画へ送る前提として、公開直後の初動をまとめて作るプレミア公開の活用法は、以下の記事で解説しています。
4要素までの置き方と画面レイアウトの基本
終了画面の要素は上限の4つを埋めるより、2〜3個に絞るほうが選ばれやすくなります。選択肢が多いほど視聴者は迷い、結果としてどれも押さずに離脱しやすくなるためです。レイアウトは要素の数だけでなく、本編映像の見せ方とセットで考える必要があります。
要素数は2〜3個が基本
もっとも汎用性が高いのは「次の動画(大)+登録ボタン(小)」の2要素構成です。シリーズものなら「次の動画+再生リスト+登録ボタン」の3要素構成も使えます。4要素すべてを使うのは、関連性の高い動画が明確に2本あり、どちらも見てほしいといった限られたケースにとどめるのが無難です。
要素の大きさにも優先順位をつけます。動画要素のサイズは調整できるため、主役の動画を大きく、脇役は小さく配置すると視線の流れが整理されます。すべてを同じ大きさで横一列に並べると、どれが推奨なのかが伝わりません。
スマートフォンのアプリで視聴された場合、終了画面の要素は小さな画面の中に表示されます。パソコンの編集画面で見ると余裕があるように感じても、スマホでは要素同士が詰まって見えることがあるため、要素を画面の端ぎりぎりに寄せすぎないこと、主役の要素を十分な大きさで置くことを意識しましょう。設定後は実際にスマホアプリで再生して見え方を確かめておくと安心です。
本編映像に要素用の余白を空けておく
終了画面の要素は本編映像の上に重なって表示されるため、話者の顔や重要なテロップと要素がかぶると、どちらも見づらくなります。撮影や編集の段階で、ラスト20秒は話者を画面の片側に寄せる、背景を単色の終了画面用素材に切り替えるなど、要素を置くスペースを最初から確保しておくことが大切です。
毎回同じ位置に要素を置くなら、終了画面用の背景素材をテンプレート化しておくと制作の手間が減ります。YouTube Studioにも要素の組み合わせを呼び出せるテンプレートが用意されているため、背景素材の枠とStudio側の配置をそろえておけば、動画ごとの設定は差し替えだけで済みます。
動画要素の選び方
動画要素には「最新のアップロード」「視聴者に適した動画」「特定の動画」の3つの選び方があります。最新のアップロードは設定の手間がかからない反面、本編と無関係な動画が表示されることがあります。視聴者に適した動画はYouTube側が自動で選ぶため、関連性の判断を任せたい場合に向いています。
企業チャンネルで回遊を設計したいなら、主役の枠には「特定の動画」で続編や関連テーマの動画を指定し、脇の枠に自動選択を入れる組み合わせがおすすめです。意図した導線を1本確保しつつ、視聴者ごとの関心にも対応できるバランスになります。自社だけで設計や改善を進めるのが難しい場合は、ハーマンドットの無料相談で現状のアカウントを一緒に確認することもできます。
動画の長さ別にラスト20秒を組み立てる
ラスト20秒の使い方は、動画の長さによって変えるのが効果的です。短い動画ほど視聴者の集中が最後まで続きやすく、長い動画ほど終盤で視聴者が減っていくため、終了画面の表示時間や本編の締め方を同じにすると噛み合いません。目安を整理すると次の表のようになります。
| 動画の長さ | 終了画面の表示時間 | おすすめの要素構成 | 本編の締め方 |
|---|---|---|---|
| 1〜3分程度 | 10秒前後 | 次の動画+登録ボタン | 結論の直後に一言で次の動画を案内 |
| 5〜15分程度 | 15〜20秒 | 次の動画+再生リスト+登録ボタン | 要点の振り返りと次回予告を兼ねる |
| 20分以上 | 15〜20秒 | 特定の動画(ダイジェストや関連回)+登録ボタン | 本編の山場を終えたら早めにまとめへ入る |
1〜3分の短めの動画
短い動画は最後まで見られやすい一方で、終了画面の20秒が動画全体に占める割合が大きくなります。20秒をまるごと終了画面に使うと「締めが長い」と感じられるため、表示時間は10秒前後に抑え、結論の直後に「続きはこちらの動画で」と一言添えるだけで十分です。なお、25秒未満の動画にはそもそも終了画面を付けられない点に注意してください。
短い動画を量産しているチャンネルでは、同じテーマの動画をいくつか束ねた再生リストを終了画面に置くと、1本あたりの短さを連続視聴で補えます。短尺同士をつなげて「もう一本、もう一本」と見てもらう設計にすると、チャンネル全体での視聴時間を伸ばしやすくなります。
5〜15分の標準的な解説動画
企業チャンネルで最も多いのがこの長さです。本編の最後に要点を30秒ほどで振り返り、その後半に終了画面を重ねる構成が組みやすいでしょう。振り返りを聞きながら次の動画のサムネイルが視界に入るため、「次はこれを見ればいい」という判断がしやすくなります。
この長さの動画では、終了画面を最大の20秒使っても本編に対する違和感が少ないため、振り返りの途中から主役の動画を表示し、最後の数秒で登録ボタンを追加するといった段階的な出し方も試しやすくなります。解説の流れを止めずに次の行き先を見せられるのが、標準的な長さの動画の強みです。
20分以上の長尺動画
ウェビナーの録画やインタビューなどの長尺動画は、終盤までたどり着く視聴者が限られます。そのぶん、最後まで見た人はかなり関心が高い層だと考えられるため、同じテーマをさらに深掘りした動画や、関連する事例紹介の動画を「特定の動画」で指定するのが効果的です。質疑応答などだらだら続く終盤は編集で整理し、山場の直後にまとめと終了画面を置くと取りこぼしが減ります。
長尺動画は途中で離脱する視聴者も多いため、終了画面だけに回遊を任せず、チャプターで見たい箇所に飛べるようにしたり、途中でカードを使って関連動画を案内したりと、終盤以外にも導線を分散させておくことが重要です。終了画面はあくまで最後まで見た人向けの導線と位置づけ、途中離脱する人向けの導線は別に用意するという考え方が現実的です。SNS運用の設計から実行までを外部の手も借りて進めたい場合は、ハーマンドットへの無料相談で自社に合う進め方を整理できます。
チャンネルの目的別に次の行き先を決める
終了画面で案内する「次の行き先」は、チャンネルが最終的に達成したい目的から逆算して決めるのが基本です。同じ企業チャンネルでも、見込み顧客の獲得、既存顧客のサポート、採用広報など目的はさまざまで、目的が違えば最後まで見た人に次に見てほしい動画も変わります。
BtoB企業の集客チャンネル
BtoBの商材は検討期間が長く、1本の動画で問い合わせに至ることはまれです。そのため終了画面では、ノウハウ解説から導入事例、サービス紹介へと、検討段階を一歩ずつ進める順番で次の動画を指定するのが効果的です。ノウハウ動画の終了画面に、いきなりサービス紹介動画を置くより、まず関連する事例動画を挟んだほうが自然な流れになります。
YPPに参加していて外部リンク要素を使える場合でも、問い合わせページへの直接リンクを主役にするのは、サービス紹介など検討の終盤にあたる動画に限るのがおすすめです。検討初期の視聴者にとっては、まだ次の動画のほうが押しやすい選択肢だからです。
BtoC企業のブランド・商品チャンネル
商品の使い方やレシピ、コーディネートなどを発信するBtoCのチャンネルでは、視聴者が「同じジャンルの動画をもっと見たい」と感じやすいのが特徴です。関連する使い方動画や、同じ商品カテゴリーの再生リストを主役に置き、継続的に見てもらうきっかけとして登録ボタンを添える構成が相性のよい組み合わせです。
新商品の紹介動画のように公開直後に再生が集中する動画では、発売から時間がたつと終了画面の案内先が古くなりがちです。季節商品や期間限定の企画を扱う場合は、シーズンが終わったタイミングで終了画面の行き先を定番商品の動画に切り替えるなど、案内先の賞味期限を意識して管理すると無駄がありません。
採用広報のチャンネル
社員インタビューや職場紹介などの採用向け動画では、視聴者は一人の社員の話だけでなく、別の職種や部署の様子も知りたいと考えがちです。終了画面には別職種の社員インタビューや、社員の一日を追った動画をまとめた再生リストを置き、会社の全体像に触れてもらう導線をつくると、応募前の理解が深まりやすくなります。
採用チャンネルの場合、終了画面の最後に採用サイトへのリンクを置きたくなりますが、外部リンク要素はYPP参加者に限られます。使えない場合は、概要欄の冒頭に採用ページのURLを記載し、本編の最後で「詳しい募集要項は概要欄から確認できます」と口頭で案内する組み合わせが現実的です。
ラスト20秒の台本で押される確率が変わる
終了画面のクリックは、要素の配置だけでなく本編の最後に話者が何を言うかで大きく変わります。画面に要素が出ていても、話者が「ご視聴ありがとうございました」で終わってしまえば、視聴者はそのまま閉じるか、YouTubeが提示する別チャンネルの動画へ移ってしまいます。
締めの言葉を前倒しする
よくある失敗は、あいさつや告知を最後に長く話し、終了画面が出るころには視聴者がすでに離脱しているパターンです。お礼や告知は本編の中盤か冒頭に移し、ラスト20秒は「次に何を見ればいいか」だけを伝える時間と割り切ると、終了画面の要素と言葉が一致します。
言葉で要素を指し示す
「画面の右側に、今日の内容の応用編を表示しています」のように、要素の位置と中身を言葉で指し示すと、視聴者の視線が自然に誘導されます。次の動画を見るべき理由を一文で添えることも大切で、「今日は設定方法を解説したので、次は効果の測り方を見てください」といった形で、本編とのつながりを明確にするのがポイントです。
終了画面の前に視聴者を離脱させない
終了画面は、そこまで視聴者が残っていなければ効果を発揮できません。「以上で本日の内容は終わりです」といった言葉は、視聴者に「もう閉じてよい」という合図を送ってしまいます。まとめに入る際は「最後に一番大事なポイントを振り返ります」のように、もう少し見る理由を残す言い回しにすると、終了画面が表示されるまで視聴をつなぎとめやすくなります。
BGMやエンディング映像を長く流す構成も、企業チャンネルでは離脱を招きやすいポイントです。ブランドの世界観を大切にしたい場合でも、エンディング映像は短くまとめ、終了画面と話者の案内が重なる時間を確保したほうが、回遊の面では有利になります。
撮影と編集、YouTube Studioでの設定を別々の担当者や外注先が行っていると、台本と終了画面の中身がずれやすくなります。制作と運用をどこまでまとめて外部に任せるかは、費用とのバランスで判断するとよいでしょう。SNS運用代行の料金体系や相場については、以下の記事で解説しています。
終了画面が表示されない条件と注意点
終了画面は、すべての視聴環境で表示されるわけではありません。設定したのに表示されないと感じたら、まず公式ヘルプに記載された利用できない条件に当てはまっていないかを確認します。特に企業チャンネルで見落としやすいのが「子ども向け」設定の動画では終了画面が使えない点です。
終了画面が利用できない主な条件(2026年9月時点・YouTubeヘルプより)
- 「子ども向け」として設定された動画
- YouTube MusicアプリやYouTube Kidsアプリでの再生
- 360°動画やFlash動画
- スマートフォンのブラウザ(モバイルウェブ)での再生。iPad向けは除く
- 長さが25秒未満の動画
このほか、公式ヘルプでは視聴者が動画の視聴中に終了画面を非表示にできることも明記されています。つまり終了画面は「必ず見られる導線」ではなく、表示されない視聴者が一定数いる前提で設計すべき導線です。概要欄のリンクや固定コメント、本編中の口頭案内など、別の導線と組み合わせておくと取りこぼしを抑えられます。
また、縦型のショート動画は通常の終了画面とは別の仕組みになっており、ショート動画から長尺動画へ送る場合は「関連動画」の機能を使います。ショート動画の導線設計は通常動画と同じ考え方では組めないため、別の設計ルールとして扱うのが安全です。外部リンク要素はYPP参加者に限られるため、自社サイトへの誘導を終了画面に頼れないチャンネルも少なくありません。
縦型や正方形など16:9以外のアスペクト比で制作した通常動画では、公式ヘルプにあるとおり置ける要素の数が4つより少なくなる場合があります。SNS広告用に作った縦型素材をそのままYouTubeに転用するケースでは、終了画面に置ける枠が限られることを前提に、主役の要素を一つに絞っておくと設計が破綻しません。
効果測定は要素クリック率とラスト区間の維持率で見る
終了画面の効果は、YouTubeアナリティクスの「エンゲージメント」タブにある「終了画面要素のクリック率」で確認します。あわせて、視聴者維持率のグラフでラスト20秒時点にどれだけ視聴者が残っているかを見ると、クリック率が低い原因が「要素の中身」なのか「そもそも終盤まで見られていない」のかを切り分けられます。
クリック率が低いときの見直し方
ラスト区間まで視聴者が残っているのにクリック率が低い場合は、終了画面の要素そのものに問題があります。次の動画が本編と関係の薄いテーマになっていないか、要素が多すぎて迷わせていないか、話者の顔やテロップと重なっていないかを確認します。反対に、ラスト区間で視聴者が大きく減っている場合は、終了画面より先に本編の締め方や長さを見直すべきです。
クリック率の良し悪しを判断する際は、他社の目安と比べるよりも、自社チャンネル内の動画同士で比較するほうが実用的です。業種や動画のテーマ、視聴者の流入経路によって数値の水準は大きく変わるため、同じシリーズ内で要素構成を変えて比べる、といった形で改善の手応えを確かめるのがおすすめです。
要素構成を見直すときは、一度に複数の条件を変えないことも大切です。要素の数、配置、表示タイミング、台詞をまとめて変えてしまうと、何が効いたのかがわからなくなります。まずは主役の動画の選び方だけを変える、次に表示タイミングだけを変えるというように、一つずつ条件を動かして比べると、自社チャンネルに合った型が見えてきます。
終了画面要素のクリック率に加えて、終了画面から遷移した先の動画がどれだけ見られたかにも目を向けると、導線の質まで評価できます。クリックはされても遷移先ですぐに離脱されているなら、案内の言葉と遷移先の内容がずれている可能性があり、次の動画の選び方そのものを見直すサインになります。
差し替えの周期を決めておく
終了画面は一度設定すると放置されがちですが、過去の動画ほど「当時の最新動画」が表示されたままになり、情報が古くなっていきます。新しいシリーズを公開したタイミングや四半期ごとなど、再生数の多い過去動画から順に終了画面を棚卸しする周期を決めておくと、古い動画が新しい動画への入口として働き続けます。
こうした測定と差し替えを社内で継続するのが難しい場合は、YouTubeに強い運用会社への依頼も選択肢になります。YouTube運用代行会社の選び方や費用相場は、以下の記事でまとめています。
企業チャンネルでは終了画面をルール化して運用する
企業チャンネルで終了画面を機能させ続けるには、担当者の感覚に任せず動画の役割ごとに終了画面の型を決めておくことが近道です。動画の本数が増えるほど、1本ずつ判断していては設定の抜けや使い回しが起きやすくなります。
動画の役割別に決めておきたい終了画面の型
- 入口の動画:次の動画(大)+登録ボタン(中)で、初見の視聴者を定着させる
- シリーズの途中回:次回の動画(大)+再生リスト(小)で、連続視聴を促す
- 事例・導入紹介の動画:関連する事例動画+登録ボタンで、比較検討を深めてもらう
- ウェビナー録画など長尺:深掘り動画を1本指定し、要素を増やしすぎない
型を決めたら、動画の企画書や台本テンプレートに「終了画面で案内する動画」「ラスト20秒の台詞」の欄を設けておくと、撮影前から終了画面を前提にした構成が組めるようになります。支援現場では、公開後に慌てて終了画面を考えるより、企画段階で次の一本を決めているチャンネルのほうが回遊の設計が崩れにくい傾向があります。
グループ会社や別ブランドのチャンネルを持っている場合は、チャンネル要素を使って相互に紹介し合うルールを決めておくのも一案です。ただし、他チャンネルへの誘導は自チャンネルからの離脱にもなるため、すべての動画に入れるのではなく、テーマが明確に重なる動画に限定して使うのが無難です。
一方で、動画の企画から撮影、編集、アナリティクスの分析までを社内だけで回すのは負担が大きいのも事実です。どこまでを外部に任せるかを検討する際は、YouTubeを含めた複数のSNSをまとめて見られる運用会社かどうかも判断材料になります。運用会社の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ:終了画面は最後の20秒の回遊設計で成果が決まる
YouTubeの終了画面は、最後まで見てくれた関心度の高い視聴者を、次の動画や登録へ送り出すための機能です。設定自体は簡単ですが、成果を分けるのは要素の優先順位と、本編のラスト20秒との連動です。最後に、押さえておきたいポイントを3つに絞って振り返ります。
- 次の動画を主役、登録ボタンを脇役にして、要素は2〜3個に絞る
- 動画の長さと役割に合わせて、表示時間・要素構成・締めの台詞を変える
- 終了画面要素のクリック率とラスト区間の維持率を見て、過去動画も定期的に差し替える
まずは無料でSNSアカウント診断を
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