税理士のSNS集客|申告期だけに頼らない相談獲得の作り方

確定申告の時期になると問い合わせの電話とメールが一気に増え、職員総出で対応しても手が回らない。ところが5月を過ぎると相談はぱたりと止まり、夏から秋は新規の顧問契約がほとんど決まらない。税理士事務所や会計事務所の所長から、こうした波の大きさに悩む声を聞く機会は少なくありません。忙しい時期に来た相談は断るか後回しにするしかなく、手が空く時期には来てほしい相談が来ないという、もどかしい状態が毎年くり返されます。

この偏りは、見込み客が税理士を探し始めるきっかけが申告期限や決算に集中していることから生まれます。期限が迫ってから慌てて探す人は、比較する余裕がなく、紹介サイトの一覧や検索結果の上位から急いで選びます。その結果、事務所の考え方や得意分野を知ってもらう前に価格だけで比べられ、条件の合わない相談ばかりが集まりやすくなります。平時に事務所を知ってもらう接点を持たない限り、この構造は変わりません。

この記事では、BtoB企業一般のリード獲得の話ではなく、税理士・会計事務所に絞って、SNSの平時の発信で顧問相談・スポット相談・相続や法人化の相談を育て、問い合わせの季節の偏りをならす設計を解説します。相談の種類ごとの発信テーマ、年間の発信カレンダー、相談予約までの導線、税理士会の広告ルールと守秘義務を踏まえた投稿の注意点、成果の測り方まで、そのまま事務所の運用に使える形で整理しました。

この記事の要点

  • 税理士のSNS集客の目的は、申告期に偏る問い合わせを平時に分散させる接点を作ることにある
  • 顧問・スポット・相続・法人化は検討期間と探し方が違うため、発信テーマと導線を相談の種類ごとに分ける
  • 税務の年間行事から逆算し、繁忙期の2〜3か月前に関連テーマを発信して相談の種をまいておく
  • 顧問先の写り込み、同意のない事例紹介、「必ず節税できる」といった表現は税理士会の広告ルールと守秘義務に触れるおそれがある
  • 成果はフォロワー数ではなく、平時の月に入る相談件数とその比率で測る

税理士のSNS集客は相談の季節の偏りをならす仕組みづくり

税理士のSNS集客とは、申告期限や決算の直前に集中しがちな相談を、平時の情報発信で前倒しし、年間を通じて分散させるための仕組みづくりです。フォロワーを増やすことや、投稿で直接顧問契約を取ることが目的ではありません。見込み客が困りごとに気づく前から事務所を知ってもらい、相談したくなった瞬間に思い出してもらえる状態を作ることが本当の役割です。

問い合わせが申告期に偏る構造

個人の所得税の確定申告期間は、2026年10月時点の国税庁の案内では原則として翌年2月16日から3月15日までです。この期間の前後に、自分での申告に不安を感じた個人事業主や副業をしている会社員が一斉に税理士を探し始めます。法人の場合も決算月の前後に相談が集まりやすく、3月決算の会社が多いことから春先に問い合わせが重なりがちです。探し始めるきっかけが期限である以上、何もしなければ相談は必ず特定の時期に偏ります。

この時期に入ってくる相談は、期限までの時間が短く、すぐに対応できるかどうかで事務所が選ばれます。事務所側も繁忙期の最中で丁寧な初回面談の時間を取りにくく、本来なら長く付き合える顧問先候補を取りこぼしてしまうこともあります。相談が来る時期を自分で選べないことが、繁忙期に集中する事務所の最大の弱点です。

SNSが平時の接点を担える理由

SNSは、見込み客がまだ税理士を探していない段階でも、日常的に目に触れる場所です。経営者や個人事業主の多くは、業界の情報収集や息抜きのためにInstagramやX、YouTubeを毎日のように見ています。そこで税務やお金の話をわかりやすく発信していれば、困りごとが表に出る前から事務所の名前と考え方を覚えてもらえます。紹介や検索が「探している人」に届く経路だとすれば、SNSは「まだ探していない人」に届く数少ない経路です。

もうひとつの利点は、相談の種類によって発生時期が異なることを活かせる点です。下の表のとおり、確定申告以外の相談は時期が分散しており、平時に発信しておけば手が空く時期に相談を呼び込めます。

相談の種類発生しやすい時期探し始めるきっかけ
確定申告のスポット相談1月〜3月申告期限が近づき自力での申告に不安を感じる
顧問契約の相談決算前後・事業拡大時記帳や決算の負担増、現在の税理士への不満
法人化(法人成り)の相談通年(売上の伸びに連動)所得が増えて税負担や信用面が気になり始める
相続・事業承継の相談通年(家族の事情に連動)親の高齢化、相続の発生、事業の引き継ぎ検討
創業・融資の相談開業準備期・資金需要の発生時開業届、創業融資、補助金の申請準備

相談の種類ごとに発信テーマと導線を分ける

相談の種類によって見込み客の検討期間と情報の探し方が違うため、発信テーマと相談への導線は種類ごとに分けて設計します。すべての投稿を「無料相談受付中」で締めくくるような一律の発信では、急ぎの相談にもじっくり型の相談にも響きません。どの相談を増やしたいのかを先に決め、その相談者が知りたいことから逆算して投稿を作ります。

たとえば、繁忙期の負担を減らしながら顧問先を増やしたい事務所と、相続の専門性を打ち出したい事務所では、同じSNSでも発信の中身がまったく変わります。まずは過去1年の相談を種類ごとに振り返り、件数は少なくても事務所として力を入れたい相談がどれかを決めておくと、投稿テーマの迷いが減ります。

顧問相談は日常の悩みへの共感から育てる

顧問契約を検討する経営者は、記帳や請求書の処理、資金繰りの見通しといった日常の負担に悩んでいます。こうした層には、税制の解説よりも「月次の数字をどう見ればよいか」「経理を任せきりにしないための確認ポイント」といった、経営の実務に寄り添うテーマが響きます。何度も投稿を目にするうちに、この事務所なら相談しやすそうだという感覚が育ち、決算や事業拡大のタイミングで問い合わせにつながります。

顧問相談は検討期間が長く、現在の税理士からの乗り換えを考えている人も含まれます。そのため、事務所の対応範囲や連絡の取りやすさ、面談の頻度など、契約後の付き合い方がわかる発信を混ぜることが大切です。料金の具体的な比較よりも、どんな関わり方をする事務所なのかを伝える方が、条件の合う顧問先に出会いやすくなります。

スポット相談は期限前の不安に先回りする

確定申告や年末調整など、期限のあるスポット相談は検討期間が短いのが特徴です。期限の直前に慌てて探す人を待つのではなく、2〜3か月前から「今年から申告が必要になる人の条件」「申告前に集めておく書類」といった準備の情報を発信しておくと、早めに動く人の相談を受けられます。早めに相談してくれる人は書類もそろいやすく、繁忙期の負担も軽くなります。

スポット相談は単発で終わることも多いですが、翌年以降の継続依頼や、事業が伸びたときの顧問契約につながる入口にもなります。申告が終わった後に「来年に向けて今からできること」を発信し続けると、一度相談した人との関係が途切れにくくなります。

相続と法人化の相談は時間をかけて信頼を積む

相続や法人化の相談は、金額が大きく、家族や会社の将来に関わるため、相談者は時間をかけて依頼先を選びます。相続税の申告期限は、2026年10月時点の国税庁の案内では被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内とされており、期限はあっても発生時期は家族の事情次第です。だからこそ、日頃の発信で「この先生なら家族の話もしやすそうだ」と思ってもらえているかどうかが決め手になります。

この領域では、制度の要点を図解で整理した投稿や、よく受ける質問への丁寧な解説が信頼の土台になります。法人化であれば「法人化を考え始める売上の目安の考え方」、相続であれば「元気なうちに家族で話しておきたいこと」など、検討の初期段階で知りたい情報を出しておくと、具体的に動く前の段階から相談先の候補に入れてもらえます。

こうした発信は、所長自身が顔と名前を出して語ると説得力が大きく増します。代表者の発信で信頼と商談機会を増やす考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

年間の発信カレンダーで繁忙期の前に種をまく

相談を平時に分散させるには、税務の年間行事から逆算し、繁忙期の2〜3か月前に関連テーマを発信する年間カレンダーを作ることが最も効果的です。思いついた時に投稿する運用では、発信のテーマが時期とずれてしまい、相談の前倒しにつながりません。税理士業務はもともと年間の予定がはっきりしているため、発信の計画も立てやすい業種です。

税務の年間行事から逆算する

考え方はシンプルで、相談が集中する時期の手前に「準備」のテーマを置き、集中する時期の後に「振り返りと次の一手」のテーマを置きます。たとえば確定申告の相談を前倒しするなら、秋から年末にかけて申告準備の発信を増やします。繁忙期の後は、申告を終えた人に向けて法人化や節税の考え方など、次の相談につながるテーマに切り替えます。

時期主な税務の動き発信テーマの例呼び込みたい相談
10月〜12月年末調整の準備、年末の決算対策申告が必要になる人の条件、書類の準備確定申告の早期相談
1月〜3月確定申告の本番よくある間違い、期限に関する注意既存顧客の対応を優先
4月〜6月申告後の振り返り、3月決算法人の申告今年の数字の見方、法人化の判断材料法人化・顧問契約
7月〜9月比較的落ち着く時期相続の基礎知識、事業承継の準備相続・事業承継

繁忙期は投稿の量より継続を優先する

確定申告の時期は職員の手が足りなくなり、SNSの更新が止まりがちです。しかし完全に止めてしまうと、それまで積み上げた接点が途切れ、繁忙期明けにまたゼロから関係を作り直すことになります。繁忙期は新しい企画を作るのではなく、閑散期に作り置きした投稿を予約投稿で流し、更新の頻度を落としてでも発信を続ける方が現実的です。

また、繁忙期に届いた相談に「今は対応できません」とだけ返すと、相談者は別の事務所へ流れます。繁忙期明けに改めて連絡する旨を伝え、平時に相談の時間を取る約束をしておけば、相談を断るのではなく後ろにずらすことができます。

繁忙期に発信を止めないための準備

  • 閑散期のうちに、繁忙期の2か月分の投稿を作り置きして予約しておく
  • 繁忙期は更新頻度を週1回程度に落としてもよいので、ゼロにしない
  • 相談への返信テンプレートに「繁忙期明けの面談枠」の案内を入れておく
  • コメントやDMの確認担当と確認時刻を決め、放置を防ぐ

媒体は相談者が情報を探す場所で選ぶ

使うSNSは、増やしたい相談の相談者がふだん情報を探している場所で選び、最初は1〜2媒体に絞ります。すべての媒体を同時に運用しようとすると、少人数の事務所では更新が続かず、どれも中途半端になります。媒体ごとの得意分野を理解し、事務所が増やしたい相談と相性の良いものから始めましょう。

Instagramは図解と人柄で信頼を積む

Instagramは、制度の要点を数枚の画像で整理した図解投稿と相性が良く、保存して後から見返してもらいやすい媒体です。個人事業主やフリーランス、小規模な店舗の経営者が多く利用しているため、確定申告や開業、法人化の相談を増やしたい事務所に向いています。リールで所長や職員が短く話す動画を出すと、文章だけでは伝わりにくい人柄が伝わり、相談のハードルが下がります。

注意したいのは、見た目の良さを優先して専門的な正確さが犠牲になることです。税制は例外や条件が多いため、図解では言い切りすぎず、「詳しい条件は個別に確認が必要」と添える習慣をつけておくと、誤解を招く投稿を防げます。

XとYouTubeは専門性の深さを伝える

Xは税制改正や制度変更の速報、経営者向けの短い解説に向いており、経営者や他の士業とのつながりも生まれやすい媒体です。YouTubeは相続や法人化のように説明が長くなるテーマを、時間をかけて解説するのに適しています。じっくり検討するタイプの相談者ほど長い動画を最後まで見る傾向があり、動画を見たうえで問い合わせてくる人は事務所の考え方を理解しているため、面談もスムーズに進みます。

どの媒体でも、誰に向けた発信なのかをプロフィールで明確にすることが出発点です。「飲食店の経営者向け」「フリーランスの確定申告」「相続と事業承継」など得意分野を絞って示すと、自分に関係のある事務所だと気づいてもらいやすくなります。

媒体向いている発信相性の良い相談
Instagram図解投稿、所長・職員の短い動画確定申告、開業、法人化
X税制改正の速報、短い解説顧問相談、経営者との関係づくり
YouTube長めの制度解説、よくある質問への回答相続、事業承継、法人化
LINE公式アカウントフォロー後の定期連絡、相談予約の受付全種類の相談の受け皿

投稿から相談予約までの導線を4つの地点で整える

SNSを相談につなげるには、プロフィール、固定投稿とハイライト、相談受付ページ、初回面談の4つの地点で、次に何をすればよいかが迷わずわかる状態を作ります。投稿がどれだけ見られても、相談までの道筋がわからなければ見込み客は離れていきます。競合の解説では「プロフィールにリンクを置く」で終わることが多いですが、実際に相談が増えるかどうかはその先の地点で決まります。

プロフィールと固定投稿で迷いをなくす

プロフィールには、事務所の所在地と対応エリア、得意分野、相談できる内容を短く書き、相談受付ページへのリンクを1本に絞って置きます。リンクが多すぎると、どこから相談すればよいかがわからなくなります。固定投稿やハイライトには、「はじめての方へ」「相談の流れ」「料金の考え方」のように、初めて訪れた人が知りたい順番で情報を並べておきます。

相談の流れを事前に見せておくことは、税理士への相談に慣れていない人の不安を和らげます。何を準備すればよいか、面談はどのくらいの時間か、オンラインで相談できるかといった基本情報があるだけで、問い合わせまでの心理的な距離は大きく縮まります。

相談受付ページと初回面談で取りこぼさない

相談受付ページでは、相談の種類を選べるようにしておくと、事務所側も事前に準備がしやすくなります。急ぎのスポット相談と、時期を問わない相続や法人化の相談では、対応の優先度も面談の内容も違います。入力項目は必要最低限にとどめ、詳しい内容は面談で聞く方が、途中で離脱されにくくなります。

初回面談では、相談内容に答えるだけでなく、SNSのどの投稿を見て相談しようと思ったのかを聞いておきます。相談者が事務所に何を期待しているのかがわかり、面談の進め方を合わせやすくなるうえ、どの発信が相談につながっているかの記録にもなります。繁忙期に受けた相談で面談の時間が取れない場合も、平時に改めて時間を確保する案内をしておけば、相談を取りこぼさずに済みます。

すぐに相談するほどではない人のために、LINE公式アカウントなどで定期的に情報を受け取れる受け皿を用意しておくのも有効です。今すぐ相談しない人との接点を保てるかどうかが、平時の相談を増やす分かれ目になります。自社での導線づくりに迷う場合は、SNS運用の専門家に相談して現状の導線を点検してもらうのも一つの方法です。

LINE公式アカウントで見込み客との関係を育てる配信設計については、以下の記事が参考になります。

税理士会の広告ルールと守秘義務を守って発信する

税理士のSNS発信は広告の一種として扱われるため、所属する税理士会の広告に関するルールと、税理士法の守秘義務を守ることが前提です。日本税理士会連合会が示す税理士会綱紀規則の準則では、会員は会の定めに反する場合を除いて自己の業務を広告でき、広告に必要な事項は細則で定めるとされています。広告は原則として自由ですが、守るべき線ははっきりあります。

広告として禁止される表現を知る

税理士会の「会員の業務の広告に関する細則」と運用指針では、事実に合致しない広告、誤認を招くおそれのある広告、誇大で過度な期待を抱かせる広告、特定の税理士と比較する広告などが禁止されています。この細則は平成31年1月1日施行の変更で禁止される広告の規定が追加されており、関東信越税理士会のお知らせでも施行日が案内されています。SNSの投稿でも、「必ず税金が安くなる」「他の事務所より安い」といった表現は避ける必要があります。

また、関与先の名称や事案の内容を、関与先の同意なく表示することも禁止されています。税務署に在職していた経歴を示す場合も、具体的な役職名の表示には制限があります。細則の本文は税理士会の会員向けに公開されているため、投稿のルールを作る際は所属税理士会の細則と運用指針で最終確認することをおすすめします。

守秘義務は写り込みと事例投稿で破られやすい

税理士法第38条は、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らしてはならないと定めており、第37条は税理士の信用や品位を害する行為を禁じています。SNSで問題になりやすいのは、意図しない情報の漏れです。事務所の様子を撮影した写真に顧問先の書類やパソコン画面が写り込んでいたり、「先日こんな相談がありました」という投稿から相談者が特定できてしまったりするケースが典型です。

事例を紹介したい場合は、業種や地域、金額などの組み合わせで個人や会社が特定できないよう、内容を一般化してから投稿します。顧問先の名前や事例をそのまま紹介する場合は、必ず事前に同意を得ておきましょう。

職員が個人のアカウントで仕事に触れる投稿をする場合も、同じ注意が必要です。事務所の名前を出していなくても、勤務先や担当業務が推測できる状態で顧問先の話をすれば、事務所全体の信用に関わります。事務所として発信のルールを文章にまとめ、職員の個人アカウントでの扱いまで含めて共有しておくと安心です。

投稿前に確認したい項目

  • 写真や動画に書類、画面、ホワイトボードが写り込んでいないか
  • 相談事例から業種・地域・時期の組み合わせで相談者が特定できないか
  • 「必ず」「確実に」「どこよりも安い」など誇大・比較の表現がないか
  • 関与先の名称や事案を、同意なく出していないか
  • 制度の説明に例外や条件の注記が抜けていないか

繁忙期でも回る運用体制を事務所の中に作る

少人数の事務所でSNSを続けるには、所長が企画と内容の確認を担い、撮影や投稿作業、コメント対応を職員や外部に分担する体制を作ることが現実的です。所長がすべてを抱えると、繁忙期に真っ先に更新が止まります。誰が何を担当し、どの時期にどれだけ作業するかを最初に決めておくことが、継続の条件です。

所長と職員の役割を分ける

専門的な内容の正確さを判断できるのは税理士本人なので、発信テーマの選定と投稿前の内容確認は所長か税理士の職員が担います。一方で、画像の作成や投稿の予約、コメントへの一次対応などは、手順を決めておけば税理士資格がなくても担当できます。作業を分けるだけで、所長が使う時間は企画と確認に集中できます。

具体的には、月に一度の企画会議で翌月分のテーマを決め、職員が下書きと画像を作り、所長が週に一度まとめて確認する流れにすると負担が平準化されます。投稿のたびに所長の確認を待つ運用は、確認待ちの投稿がたまって更新が止まる原因になります。確認をまとめて行う日を決めておくことが、少人数でも続く運用のこつです。

役割を分けた後は、投稿前の確認の流れを決めておきます。誰が最終確認をするのか、どの表現は使わないのかを事務所のルールとして共有しておけば、担当者が変わっても発信の質を保てます。確認の流れを決めずに職員任せにすることは、広告ルールや守秘義務の違反につながる最大のリスクです。

外部に任せる範囲を見極める

事務所の中で手が回らない作業は、外部の専門家に任せる選択肢もあります。任せやすいのは、年間の発信計画づくり、図解や動画の制作、投稿作業、数値の分析といった部分です。一方で、税務の内容の正確さの判断や、相談者とのやりとりは事務所の中に残すべき仕事です。外部に任せる範囲と残す範囲を分けて考えると、費用の見通しも立てやすくなります。

外部に依頼する場合の費用の相場や料金体系は、依頼範囲によって大きく変わります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

成果は平時の月に入る相談件数で測る

税理士のSNS集客の成果は、フォロワー数や反応の数ではなく、申告期以外の平時の月に入る相談件数と、年間の相談に占めるその比率で測ります。季節の偏りをならすことが目的である以上、見るべきは偏りが小さくなっているかどうかです。フォロワーが増えても繁忙期にだけ相談が集中しているなら、狙いどおりの成果は出ていません。

月別の相談件数と経路を記録する

まずは相談が入るたびに、月、相談の種類、事務所を知ったきっかけを記録します。相談受付ページに「何を見て知ったか」を選ぶ項目を設けたり、初回面談で必ず聞いたりする方法が簡単です。半年から1年ほど記録を続けると、どの媒体のどの発信が、どの種類の相談につながっているかが見えてきます。

記録が増えたら、月ごとの相談件数を前年と比べ、平時の月の件数と比率が伸びているかを確認します。平時の相談比率が上がっていれば、発信が季節の偏りをならす役割を果たしていると判断できます。

指標見る理由確認の頻度
平時の月の相談件数繁忙期以外に相談が入っているかを見る毎月
年間の相談に占める平時の比率季節の偏りが小さくなったかを見る半年ごと
相談の種類別の件数増やしたい相談が増えているかを見る毎月
SNS経由の相談の割合発信が相談のきっかけになっているかを見る毎月
プロフィールから相談受付ページへの遷移数導線のどこで離脱しているかを見る毎月

数字に合わせて発信テーマを入れ替える

記録から、相談につながっている発信テーマと、反応はあっても相談にはつながらないテーマが見えてきます。たとえば図解投稿の保存数は多いのに相談が来ない場合は、投稿から相談受付ページへの導線が弱い可能性があります。逆に投稿数は少なくても相談につながるテーマがあれば、その周辺のテーマを増やしていきます。

テーマの入れ替えは、毎月ではなく四半期ごとに行うと判断がぶれにくくなります。税理士への相談は投稿を見てすぐに起きるものではなく、数か月後に効いてくることも多いためです。前年の同じ時期と比べる視点を持ち、季節要因と発信の効果を切り分けて見ることを意識しましょう。

測定の考え方を共有できるかどうかは、外部のパートナーを選ぶときの判断基準にもなります。フォロワー数だけを報告するのではなく、相談件数まで追いかけてくれる会社を選ぶことが大切です。自社だけで判断が難しい場合は、SNS運用の無料相談で現状の数字を一緒に確認することもできます。運用会社の選び方は以下の記事で詳しく比較しています。

まとめ:税理士のSNS集客は平時の相談を育てる設計から始める

税理士・会計事務所の問い合わせが申告期に偏るのは、見込み客が税理士を探すきっかけが期限に集中しているためです。SNSの平時の発信で事務所を知ってもらい、相談の種類ごとに発信と導線を分けることで、相談の時期を事務所側から整えていけます。最後に要点を3つにまとめます。

  • 相談の種類ごとに設計する。顧問・スポット・相続・法人化で検討期間と探し方が違うため、発信テーマと導線を分ける
  • 年間カレンダーで先回りする。繁忙期の2〜3か月前に準備のテーマを発信し、繁忙期中も作り置きで発信を続ける
  • ルールを守り、平時の相談比率で測る。広告ルールと守秘義務を守ったうえで、成果は平時の月の相談件数で判断する

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「SNSを始めたものの相談につながらない」「繁忙期に更新が止まってしまう」「どの相談を増やすための発信なのか整理できていない」といったお悩みはありませんか。株式会社ハーマンドットでは、事務所のSNSアカウントと相談受付までの導線を点検し、増やしたい相談の種類に合わせた発信テーマと年間の運用計画をご提案します。広告ルールや守秘義務に配慮した投稿の確認体制づくりもあわせてご相談いただけます。

まずは現在のアカウントの状況をお聞かせください。初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。確定申告の繁忙期に入る前の今の時期から、平時の相談を増やす準備を始めましょう。

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